出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円
●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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ゼロから言霊の実現化へ
伯家神道の師である高濱浩氏は「三種祓」について、七沢氏にこう語ったという。
「『とほかみえみため』は、最初の『と』で神と一体化するのです」
七沢氏がかつて言ったように、五十音はそれだけで祓いになる。つまり、「あ・い・う・え・お」も立派な祓いになるのである。
なぜなら、日本語を正しく発音するということは、ゼロから発声するということになり、ある言葉を発音する手前には常にゼロ・ポイント・フィールドが存在することになるからだ。
自分が五十音のどれか一音を発音する様子を可能な限り繊細に観察してみてほしい。心の中で一音を思い浮かべるときでもいいが、いずれの場合でも、どこかの瞬間に発音のための意志が働き、また、その手前には何もないことが分かるだろう。別の思考をしていたとしても、ある地点で切り替わり、いったん何もない状態となる。
意識が動く手前のこの隙間は何だろうか?
実は人間は、ことさらゼロに戻ろうと思わなくても、発声や思考のたびにその瞬間を経験している。だが、その瞬間には主体と客体が一致しているので気づかないだけだ。
第3章の後半で紹介したように、小笠原孝次氏は、著書『言霊百神』の中で、一瞬のうちに宇宙の創造・維持・破壊が行われるというサイクルを説明している。つまり、いついかなる瞬間にも創造の場、すなわちゼロ・ポイント・フィールドが存在しているのである。
これは何を意味するのか―そう、ゼロというものを考えなくても、人間は常にそのゼロと一体化した存在だということにほかならない。
それが自覚できれば、あとは適切な言霊を発するのみである。
では、適切な言霊とは何か?当然、ただ自分の思いを言葉に出せばいいというわけではない。また、同じことを表現する場合でも、言葉の使い方によって、そこから脳が想起する内容も変わってくる。そのため、ある特定の内容を実現させたい場合には、立体的にありありと実物が立ち上がってくるような表現が好ましいとされる。
ただし、そのようなイメージが立ち上がってくる表現であれば何でもいいというわけではないようだ。結局は何をどう表現するかの問題であり、その表現には必ず、構築された文章、すなわち構文が必要となる。
これに関しては、リスクがなく、十分に高い効果を発揮しうる方法として、「構文の五階層」を用いた手法があると七沢氏は言う。