
出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円

●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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言霊について深く理解するために、是非お役立て下さい。
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西洋的価値観は私たちを幸せにしたか,幸せな人生といえる生き方はどういうものか?
私たちはいかに生きるべきか?
そもそも、生きるとはどういうことなのか?
―こうした命題に関して、自分の身の回りのことだけを考えても堂々巡りの思考に陥るばかりで、一向に答えは見えてこない。
唯一突破口となるのは、自分と自分のおかれている環境を客観視することだが、それを突き詰めていくと、視野はおのずと世界全体へと、そして人類史全体へと拡大することになる。つまり、世界を考えずして、自分の生き方は見えてこないということだ。
では、そのように視野を広げたとき、そこには何が見えるだろうか。
たとえば、その一つに西洋と東洋との関係がある。
前世紀に勃発した二つの世界大戦が西洋の没落の始まりだとすれば、今世紀に入りまもなくして起きた9・11テロと2008年の世界金融危機は、その最終プロセスにあたるといえるだろう。
そして、その「西洋の没落」の結果、国際政治や国際経済のほか、環境問題や文化摩擦、法律、思想、哲学、宗教、職業倫理、さらには心身の健康や食生活といったライフスタイルに至るまで、ありとあらゆる分野に浸透してしまっている西洋的価値観や方法論の正当性が、今、問い直されている。
そう。今や非西欧圏のみならず西洋圏の人々ですらも、西洋的価値観・方法論に疑問を抱き始めているのだ。
果たしてこれは幸せな人生といえる生き方だろうか?
私たちは本当にこう生きるべきなのか?
そもそも、生きるとはこういうことだったのか?
―これまで西洋文明の価値観を是(ぜ)としてきた人々は、今やこういった疑問を持ち始めているにちがいない。
では、それに代わる新たなパラダイムは何か?歴史の流れをマクロな視点から俯瞰(ふかん)してみると、そのヒントが見出されよう。
現在はある意味で歴史のターニングポイントだといえるが、約2500年前にもターニングポイントがあり、そのときには、中国文明に代表される東洋文明から、ギリシャ文明に代表される西洋文明への大きなシフトがあった。
それは、「神秘」から「論理」へというシフトであり、「論理」はその後に登場する科学の母体となった。
また、神秘を失ったことは、神から王権を授かった神聖王による「王道」から、力の論理によって強い者が王になる「覇道」への転換を促した。つまり、「科学」と「覇道」をベースにした現在の西洋文明の価値観と方法論は、このときに生まれたのだ。
なお、約2000年前に現れたキリスト教は、西洋文明へ再び神秘を吹き込むかのように思われたが、西洋の支配的宗教になってからの魔女狩りや十字軍遠征などの所業(しょぎょう)を見れば、この宗教が迷うことなく「覇道(はどう)」を邁進(まいしん)してきたことは疑うべくもない。
さて、約2500年前に西洋文明へのシフトが起きたのだとすれば、その西洋文明が行き詰まってしまった今、次に期待されるパラダイムシフトは、必然的に東洋文明の復興・復権ということになろうか。
いや、単に東洋文明をよみがえらせて神秘の世界へ舞い戻るというのでは、あまり現実的ではない。むしろ、東洋回帰を軸足としながらも、西洋でも東洋でもない新たな第三の文明の勃興(ぼっこう)が必要とされるはずだ。