出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円
●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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五十神と五十音のマンダラ
どの民族の創世神話も『古事記』と似て、無あるいは混沌の中から神々が順を追って生じる様子が描かれる。一神教の神話であれば、至高の一者としての神が森羅万象を順に創造するプロセスとなるだろう。
だが、似てはいても『古事記』ほどの緻密(ちみつ)な体系性を持つ神話はそう多くはない。
その緻密な体系性は神々の生成過程に表れており、しっかり眺めてみると、七沢氏が五十音に見出した階層性や統合性が浮かび上がってくる。
加えて、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)「イ」と伊邪那美神(いざなみのかみ)「ヰ」のように、兄神と妹神が対称性を持ちながら展開していく様子と、その対称性が階層的に破れていく構成も非常に興味深い。
シカゴ大学名誉教授の南部(なんぶ)陽一郎氏は、そのような対称性の破れを量子力学の世界で研究してノーベル物理学賞を受賞されたが、そのことは七沢氏の言霊研究に物理学の世界からの示唆を与えることになった。それについては後章で詳しく述べるが、非常に重要なポイントであるので、とりあえず心に留めおいてほしい。
さて、七沢氏は、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)・伊邪那美神(いざなみのかみ)から先の神の生成過程について次のように説明する。
「言霊学では、古事記に説かれた、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)から数えて九十八番目の天照大御神(あまてらすおおみかみ)、九十九番目の月読神(つきよみのかみ)、百番目の須佐之男神(すさのをのかみ)までを言霊百神(ひゃくしん)と呼び、その最初の五十神を五十音にあてています。残りの五十神はその五十音の運用の仕方を示す神ということになります。なお、この百神はすべて天津神(あまつかみ)であり、最後の須佐之男神(すさのをのかみ)は最後の天津神であると同時に最初の国津神(くにつかみ)となっています」
七沢氏は、五十神並びに五十音の生成過程を同心円状に展開するマンダラ形式で表現した「五十神マンダラ」「五十音マンダラ」を作成・公開している。これによって、『古事記』の創世神話の世界を体感的に把握することが可能になったといえよう。