
出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円

●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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想念の正体は何か?
さて、自然界に働く四つの力として、「重力」「電磁気力」「弱い力」「強い力」がある。
七沢氏はこれに「創造意志力」を加えた「存在の五場」を提唱しており、さらにその力の背景には、それぞれに五階層のエネルギー(意志エネルギー・結合エネルギー・精神エネルギー・情動エネルギー・生命エネルギー)があるとしている。
このあたりは七沢氏独自の理論であり、それについては次章にて詳しく述べるとして、ここでは量子論の話を先に進めることにする。
南部陽一郎氏はさらに、対称性の自発的な破れの理論を使って、素粒子が質量を持つ理由を明らかにした。その鍵は、素粒子が生まれたときの宇宙の状態にある。
宇宙は約137億年前に超高温の小さな火の玉として生まれた、というのがビッグバン宇宙論である。超高温の初期宇宙は特別な真空状態にあって、ある種の対称性を持っていた。そしてこのとき、すべての素粒子は質量がゼロであり、光の速度で飛び回っていたと考えられている。
しかし、宇宙が膨張して冷えると真空の対称性が破れて真空の性質が変わり、その影響により、アクセル全開で運動していた素粒子にブレーキがかけられる。すると、重いものほど早く動くことが難しくなるので、これは「素粒子が質量を持った」ことを意味する。
イギリスの理論物理学者ヒッグスは南部陽一郎氏のアイディアを発展させて、真空の対称性が破れることで真空はヒッグス粒子という未知の粒子が充満する場になり、素粒子はヒッグス粒子の抵抗を受けて減速されるという理論を唱えた。
そして現在、スイスのジュネーブにあるCERN(セルン)(欧州原子核研究機関)で2008年に完成した巨大円形加速器「LHC(ラージ・ハドロン・コライダー)」を使い、ヒッグス粒子の存在を確認する実験が進行中である。
このヒッグス粒子について、七沢氏はこう語る。
「仮説ですが、いわゆる想念にも近いのが、ヒッグス粒子ではないかと考えています。
そして、私は想念というものを、意志、結合、精神、情動、生命と五つの階層に分けており、この階層のどこから生じた想念であるかによって、その力を運ぶ粒子の大きさが決まってくると考えています。
この場合、意志エネルギーの粒子が最も細かく、次に結合エネルギー、精神エネルギー、情動エネルギー、生命エネルギー……と続きます。言霊も同様に、霊(たま)なのか魂(たま)なのかによって、階層と粒子の大きさが異なってくるでしょう。そして、言霊から生じる細かい粒子は人体のDNAに到達することができると考えています」
量子論に示される世界像と伯家神道の世界像との類似性に注目すると、ヒッグス粒子の働きは、伯家神道の十種神宝御法における三種・鎮霊(ちんれい)をも思わせる。
「鎮霊とは結合エネルギーであり、神道で産霊(むすび)と呼ばれるものです。この鎮霊がなければ物質はバラバラになって消えてしまうでしょう」
と七沢氏が言っていたことを思い出していただきたい。
創造の場における原初の陰陽(いんよう)分離は『古事記』において、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)と表されていたが、そこに「むすび」の字が含まれていることにも目を向けてほしい。