
出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円

●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
当サイトでは、出版社の文芸社様にご協力頂き、『言霊はこうして実現する』を全文掲載しております。
言霊について深く理解するために、是非お役立て下さい。
※無断使用・転載は著作権により禁止されています。
当サイトの内容はその作成者に著作権があり、それらを作成者に無断で使用したり転載はできません。
七沢賢治が継承する伯家神道の教えを学びたい方は、【一般社団法人白川学館】の講座案内をご覧ください。
最新の研究成果は【株式会社七沢研究所】をご覧ください。
日本における帝王学の真義
伯家神道はある種の帝王学(ていおうがく)であり、一方、明治天皇が興した言霊学は、天皇の統治のあり方を『古事記』などから読み解くための学問である。
帝王学というと、こと近代日本においては、儒学と西欧帝王学とを合わせたものという印象が強いが、日本の伝統においては、国見儀礼に見られるように、天地自然との交感と言霊の力の行使が天皇の役目とされていた。
つまり、日本における帝王学とは、民を治めるばかりでなく、国津神として象徴される天地自然とのつながりや、天津神として象徴される言霊の使い方といったところまで踏み込むものであったのだ。
ここで、「帝」「王」の語源について考えてみたい。
白川静氏の『字統』によると、「帝」という字は神を祀るときの祭卓の形の象形であり、「王」という字は王位を示す儀礼用のマサカリであるとされている。すなわち、いずれも宗教的儀礼がそこには関係しており、その観点に立つならば、伯家神道が伝えてきた日本古来の帝王学こそが真に正統の帝王学であるといえそうだ。
そしてそれは、プロローグで述べた、いにしえの「王道」でもある。
だが、天皇が実際に統治を行うわけではない。民主主義のこの時代にあって、そのような帝王学を私たちはどう捉えればいいのだろうか?
ここまでお読みいただいた方ならお分かりのことと思うが、国家の主権が「キミ(君=天皇)」から「タミ(民=民衆)」へと委譲(いじょう)された現代日本においてなお、言霊学と伯家神道の伝える統治の原理はおおいに有益であるというのが、本書の一貫した主張だ。
このエピローグでは、ここまでの本書の内容を振り返りつつ、その情報をどのように各自が役立て、また新時代のパラダイムとして社会に還元していくかということについて、七沢氏が提唱するそのビジョンに迫ることにしよう。