
出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円

●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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DNAと言霊について
ではここから「DNAと言霊」という最後のテーマに移ろう。
人間の遺伝情報はDNA上に、A(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)という4種類の塩基と呼ばれる化学物質で情報化されている。
DNAに記された無限に近い文字列のうち、タンパク質(アミノ酸)をつくる指令を出している部分を指して私たちは遺伝子と呼んでいる。したがって、遺伝子とはタンパク質を作るための設計図なのであるが、その設計情報部分は全ゲノムのうち、わずか5パーセントからせいぜい10パーセントを占めているに過ぎない。
そして、残りの90〜95パーセントは、どんな働きをしているか分かっていないブラックボックスである。あるいは、どんな働きもしていない部分と考えられて、「ジャンク(がらくた)」などと呼ばれている。
その5パーセントの遺伝子部分にしても、近年、従来の通説の半分以下の数しかなかったことが新たに判明したように、いまだ正確な数字は確定されていない。また、その働きにしても、解明されているのはごく一部なのである。
つまり、全体の遺伝情報のうち、その働きが分かっているのは一割にも満たないし、その分かっている部分についてもなお「分かっていないことの方が多い」のである。
このことについて、筑波大学名誉教授の村上和雄氏は、『生命の暗号・あなたの「思い」が遺伝子を変える』(村上和雄著、サンマーク出版)の中でこう述べている。
ジャンクといわれる残りの不明部分にこそ大きな意味があると考えています。そこにこそ、生命の不思議、生命の神秘を全体で解く「暗号」が書かれていると期待しているのです。現段階では遺伝子として活動していない、それゆえ遺伝子ともよばれていないような無用無味のがらくた部分に、人体にとってきわめて重要な意味をもち、大切な役割をになう情報が隠されているに違いない―。私はそう考えており、ゲノムサイエンスの本来的かつ究極的な意義は、その不明部分の解読にこそあると思っているのです。
そして、村上氏は『スイッチ・オンの生き方―遺伝子が目覚めれば、人生が変わる』(村上和雄著、致知出版社)の中で、
ごく最近、遺伝子のオンとオフに関連する大切な部分がジャンクの中に潜んでいることがわかりはじめています。
とも述べており、さらに、そのオン/オフのスイッチ機能について、前掲の『生命の暗号・あなたの「思い」が遺伝子を変える』の中では、このように持論を述べている。
遺伝子のON/OFFのスイッチ機能は生まれつき固定なものではなく、さまざまな環境の変化によって「人為的」かつ後天的に、作動させたり切り替えることができるものです。(中略)
極限状況に追い込まれたときに、自分でも信じられないような能力を発揮したといった例は、心の持ち方、気持ちのありようが、遺伝子のスイッチON/OFFに大いに関連していることの有力証拠といえます。
村上氏のこの説を根拠にして、七沢氏はこう述べている。
「アナログ的に遺伝子のスイッチをON/OFFにする方法の一つが『笑い』であると考えています。笑いには、祓いと同じようなリセット効果があると思われるからです。また、『言霊』も遺伝子のスイッチをON/OFFにする方法として考えられるのではないでしょうか。日本語には染色体を構成するDNAに働きかける言語エネルギーのようなものが備わっているのではないかと私は考えています」
五十音から母音を除いて、「ん」を加えた四十六音が、染色体の数と一致することを考えるなら、上代和語から連綿と伝わる日本語が、そのままDNAに働きかける可能性があるのかもしれない。