プロローグ 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開

階層性と統合性によって知識を整理する

第6項 / 全7項

新時代のパラダイムを模索する七沢氏のアプローチは、言霊学を一つの土台にしながらもそこにとどまらない。七沢氏はこう言う。

「古代日本の哲学、思想、古代祭祀、神事(しんじ)、呪術(じゅじゅつ)などの大部分は、現代の宇宙物理学や量子論、量子場脳理論などの観点から、その意味や原理を読み解くことができます」

ただし、哲学や祭祀の世界と物理学の世界を直接に結びつける学問は今のところ存在しない。そこで、七沢氏が試みるのは、言霊学と伯家神道の研究・実践をもとにした新しい理論体系の構築である。それについて氏はこう説明する。

「その理論体系の根幹となっているのが階層(かいそう)性と統合性です。ここでいう階層性とは物事を五つの階層で考えることを指しており、各階層の連関(れんかん)への理解が統合性となります」

大学院で研究していた宗教学を背景にして、言霊学や伯家神道に見られる日本古来の哲学や祭祀の世界と、量子論や量子場脳理論といったまったく異なる分野とを統合しようとする七沢氏の姿勢は、ともすれば、自然科学分野からも人文科学分野からも批判を呼ぶかもしれない。通常、科学の各分野は細分化されており、それぞれの専門家が自らのテリトリーを守りつつ、他分野には踏み込まないように配慮し合っているからである。

だが、そのような閉鎖的な「ムラ社会」をつくることから、行き詰まった西洋文明を打破するような画期的なパラダイムが生まれるものだろうか?

今こそ、七沢氏の言うように、これまで人類が蓄積してきた知識を、階層性と統合性の下に再整理するべきときではないだろうか?

七沢氏は、自らがこれまで研究してきたことのすべてを統合する理論体系を、日本語の五十音構造に見られる階層性と統合性の中に見出した。

すなわち、七沢理論における五つの階層はそのまま「あいうえお」という五つの母音に対応し、そこから整然と展開される五十音の構造がそのまま、哲学や祭祀の世界と物理学の世界に通底(つうてい)する階層性と統合性の構造に対応するのだという。

論理の飛躍―そう思われる方もいるかもしれない。だが、本書を読み進めていくと、これが決して単なる思いつきの話ではないことがご理解いただけるはずだ。

なお、七沢氏は農業や医療、教育などの分野に言霊を応用する実証実験をこれまでに数多く行ってきており、そのほとんどで持説を証明する結果を得ている。そして、その実験結果をもとに開発された言霊の力を現実に応用するいくつかのツールは、現実に多くの人々へ多大な恩恵をもたらしている。

それらの理論体系とツールは、単に言霊(=言語の持つエネルギー)を便利に使うというばかりでなく、これからの時代における新しいパラダイムを提示しうると七沢氏は主張する。

「今、世界は大きく動いており、新たなパラダイムの胎動(たいどう)が始まっています。今、求められているのは『文明の衝突』ではなく『文明の大祓(おおはらい)』です。そのパラダイムシフトに際して明らかにしたいのが、五階層で物事を考えるということです。

その具体的な方法として、1万年の伝統を持つ言霊と伯家神道の考え方と、新しい考え方である量子論とを合わせ、人々の行動や実践の指針を示していければと思います」

七沢氏は、人と神が一体であったころの考え方を伝承するのが言霊学であり、伯家神道であると言う。それはまた、西洋文明と東洋文明との融合を導く考え方であるにちがいない。

人と神が一体、とは統合された意識のあり方であり、また、そこから生じてくる行動であると考えればいいだろう。そして、科学文明が発達した現代にそれがよみがえることは、人類に高次の統合をもたらすことになるはずだ。

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