出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円
●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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自らが宇宙の創造主となる
天皇の祭祀としての伯家神道を、現代の一般人が行ずることの意義はどこにあるのか?七沢氏はこう言う。
「十種神宝御法の初期段階で遠津御祖神(とおつみおやのかみ)と一体になることで、伝統的な先祖崇拝を、現代科学におけるDNAの知見とのつながりにおいて理解できるようになります。また、国津神を迎えることは、環境と人間が一致するということですから、それによって自分自身の体のように環境を感じられるようになり、環境破壊を自身の痛みとして捉えることになります。これは古い民族が本来培(つちか)ってきた感覚であり、環境問題の根本的な改善へつながる意識だといえます。
その上で、今度は言葉によって外界と人間存在をコントロールするというテーマが現れます。これが言霊であり天津神の世界です。そこに、哲学の問題、すなわち存在論、矛(む)盾(じゅん)論、実践論といったことが出てくる。そしてその先にあるのが量子力学であり、宗教における創造論であるといえます」
それはまさに「神を手でつかみ、神を食べる」ことに等しいといえるだろう。そして、そのように人が神となるとき、自らが宇宙の創造主となるのである。
「結局、一人一人が神となるしかない。もともと、そういう存在としてあるのが人間であり、人間とは創造主の仮の宿(やど)りです。だからこそ自分自身で神をつかまないと信仰になってしまう。拝んではいけない。神にすがりつくのではなく、決意表明をして、神の働きの一つとなるためにご加勢(かせい)くださいという姿勢が大事です。ですから、伯家神道には(祈願文としての)祝詞はなく、四つの祓(はらい)があるだけなのです」(※なお、この四つの祓を巻末に掲載)
では、その「ご修行」において神はどのように感得されるのだろうか?
「宇宙創造を行法の中で追体験します。だから『古事記』をまったく読まなくても、その説くところが体感的なものとなるのです。むしろ、時空間の実感をストーリー化して人格神のような形で表現したものが『古事記』の興りであり、伝承法であったと考えた方がいいかもしれません」
創造原理は言霊であり、その言霊を正しく働かせるために、伯家神道の身禊祓(みそぎはらい)では五十音を整理する働きを持つ神の名を羅列していく。そして、それを受けて天照大御神(あまてらすおおみかみ)が現れて五十音の源である天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を迎え、すべてを原初の無に帰す。
そのようにリセットされたところで、新たに宇宙創造ができることへの感謝を込めて、数と言霊を一致させた一二三祓(ひふみのはらい)を奏上するのである。これは、そのままで神の言葉であり、創造の源へ戻ることでもある。
「私の根底にある一番の思いは平等感です。それぞれの人が上も下もなく、平等に尊い存在です。これまでにいろいろな思想家が出てきましたが、皆さん平等感を普及することには失敗しています。それを成功させるには一人一人が神をその手でつかみ、体感するしかないでしょう。それを普及させる場面をいろいろな方法で考えるというのが私の仕事です」
七沢氏がここで言う「いろいろな方法」とは伯家神道の行法にとどまらない。最先端の科学的知見をも融合したその方法に関しては第4章で触れる。