出版社:文芸社 著者:大野靖志 定価:1,680円
●プロローグ― 言霊によって現実を変える具体的な方法を初公開 ― どうして日本語は美しいのか? ― 言霊(ことだま)は「単なる迷信」ではない ― 西洋的価値観は私たちを幸せにしたか ― 日本― 新しい文明のパラダイムを提示しうる国 ― いにしえの叡智を今に伝える言霊学と伯家神道 ― 階層性と統合性によって知識を整理する ― 本書の使命とその方法論
伯家神道の秘儀継承者・七沢賢治が明かす神話と最先端科学の世界
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五階層は神をつかむための階段
五十音の母音と対応する五つの階層は神をつかむための階段のようなものである、と七沢氏は言う。
ここでいう神とは人格を持った存在ではなく、森羅万象の働きであり、またわれわれの心の働きのことだ。古代の日本人はそれらの働きに精緻な体系性を見出し、それを神として定義した上で『古事記』や五十音の階層構造の中に組み込んだのである。
もっとも、森羅万象を五階層で説明するやり方自体は決して珍しいものではない。
仏教の五蘊(ごうん)(色蘊(しきうん)・受蘊(じゅうん)・想蘊(そううん)・行蘊(ぎょううん)・識蘊(しきうん))や五大(地・水・火・風・空)、それから中国の五行(木・火・土・金・水)は日本人になじみの深いものであるし、ほかにバラモン教やイスラム教などにも同様の五階層が存在している。
それら、さまざまな五階層の考え方を踏まえた上で、七沢氏は『古事記』に始まる神道の世界観を次のように整理した。
最初の階層は「体界」であり、ここには五官(味・聴・視・嗅・触)と五臓(心臓・肝臓・脾臓(ひぞう)・肺臓・腎臓)が含まれる。
次は「心界」であり、ここには五情(恥・悔・覚・省・畏)が、その次の「魂界」には五魂(荒魂(あらみたま)・和魂(にきみたま)・幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)・精魂(くわしみたま))が含まれる。
そして、最後の二つの階層は、五霊(生産霊(いくむすび)・高牟須霊(たかみむすび)、神牟須霊(かみむすび)・足産霊(たるむすび)・玉留産霊(たまつめむすび))を含む「霊界」、五神(天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)・高御産巣日神(たかみむすびのかみ)・神産巣日神(かみむすびのかみ)・宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)・天之常立神(あめのとこたちのかみ)―古事記冒頭の別天神(ことあまつかみ))を含む「神界」となる。
これについては表(103ページ)を見ていただいた方が分かりやすい。
魂や霊という言葉にどうしても抵抗感を持ってしまう人は、「体界」を生命エネルギーの世界として、「心界」を情動エネルギーの世界として、「魂界(こんかい)」を精神エネルギーの世界として、「霊界」を結合エネルギーの世界として、「神界(しんかい)」を意志エネルギーの世界として捉えてみてはどうだろうか。